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 ジェームズ・タレル(James Tarerrell)

 タレルさんは、うん、ちょっと気安くタレルさんなんて呼べる様な感じの人ではないんだけど、実際に会ってないからモチ当てずっぽうだけどね。 なんて言うか、厳格な科学者と言う感じがするんだ。 タレルさんの仕事は科学と芸術のクリエーティブな活動を目ざしているってんだからそうであっても当たりまえだのクラッカーてとこかな。「ローデン・クレーター・プロジェクト」と言う途方もないプロジェクトにタレルさんはもう20年以上も取り組んでいるんだけどさ、これは一口で言ってしまうと噴火口のクレーターを利用して宇宙と一体になる装置を造るプロジェクトだそうだよ。  このクレータを見つけるまでに自分で飛行機を操縦して500時間も飛んだ末に見つけたそうだ。 見つけてからがまた大変でさ、持ち主と数年間も粘り強く交渉してクレーターを手に 入れたと言うから大したもんじゃないか。 
  ジェームス・タレル  手に入れてから何をしたかというと、クレーターの内側を削ったり土を入れたりして、クレーターの底から見上げるとすり鉢の底にいるような感じに見える様に整形しているんだって。  計画では、クレーターのずっと離れた所からトンネルを伝ってクレータの底に達することができる様になるのだけれど、枝別れをするようにして23室の「知覚の部屋」に通じる様になるそうだ。  下の図で言えばね、同心円の白いところがクレーターのすり鉢の底にあたるわけで、そこに行くには左右の方からトンネルをくぐっていくって寸法さ。  そこから空を見上げるとプラネタリュウムの様に丸く切り取られた空が見えていろんな星座がとうりすぎて行くのが見えるのだって。

クレーターを上から眺めたところ   

 黒い線はトンネル部分で、白い線は遊歩道  西の部屋、北の部屋、東の部屋、南の部屋  噴火口の部屋、などがある   
ローデン・クレータ
全景

荒野の中のローデン・クレータ


 ローデン・クレーターは、綺麗な形のクレーター・ボウルとそれを取りまく様にある馬蹄形の外輪山とからできてるらしいんだけど、その馬蹄形の外輪山の尾根伝いに遊歩道をつくる計画だそうだ。 そこから地下に造られたそれぞれの「知覚の部屋」に入っていけるそうだよ。
「知覚の部屋」の一つに「太陽と月の部屋」があるんだけど、他の部屋を代表してこの部屋のことを言うね。  この部屋の場所はクレーター・ボールと第2噴火口との中間、クレーター・ボールの山腹の地下に眼球の虹彩をイメージした円形の形をしてあるんだ。
クレーター・ボールの内側の斜面に出入り口があってそこから長い廊下が15度の勾配で北東方向へ下って「太陽と月の部屋」まで続いている。 円形の部屋の中央には黒曜石の壁が開口部に面対して(南西方向を向く)立てられるし、その黒曜石の壁の背面はもう一方の開口部の「噴火口の部屋」へ続くように面対しているんだ。 なかなか説明は難しいのだけどね、北東方向に向いた壁には太陽の姿がピンホールカメラの原理で写り、南西方向の壁面には月の光が映えることになっているんだって。

          

遠景

手前の黒っぽく見えるところが外輪山、
後ろの高い部分が本体 

月は8.85年周期でこのトンネルの奥まで光をとどける角度になるらしいんだ。 こうした装置はまるで巨石文化時代の天文観測用のものようだけどタレルさんは、言っとくけど、天文観測装置を作ってるのではないんだよ。 説明にこまちゃうんだけどさ、例えばだよ、この前テレビのピカチュウを見ていた子供達が画面の光の点滅をみて健康異常を起こした事件があったろう、こんな風に我々の感覚器とか脳のなかの機能にはまだまだ不思議な分ってない部分があってそんなところを発掘するようなことで「光」を使った装置で見る人に迫っているんではないかと思っているんだ。 あっちもタレルさんの展覧会を見たんだけど、会場にはいろんの装置があって体験していくように仕組まれていたんだ。  そのうちの「テレホン・ブース」を体験したんだけど、狭っくるしい箱にはいると頭の上には半球がたの天井があったんだ。 それははまるで遠近感や球体が感じられないほど上手く照明がされていて、その照明が色んな色や明暗や点滅と言う様にコントロールされているんだ。 しばらくそんな光の海のなかにいると変な気持ちになってしまったよ。 
                    (1998/11/7・記)
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資料:「ジェームズ・タレル 未知の光りへ」展カタログ、水戸芸術館/「ジェームズ・タレル 夢のなかの光はどこからくるのか?」展カタログ、ジェームズ・タレル展実行委員会・世田ヶ谷美術館、埼玉県立近代美術館、名古屋市美術館
 
2004~5年頃(多分)NHKテレビの番組「未来の授業」でジェームズ・タレルさんがペインテッド砂漠
の近くにあるオーメ学園の高校生にローデンクレータを体験さす、と言う内容の放送がありました。 この
時点でも作品は進行形と紹介されていましたが映像で見る限り随分と完成している様子でした。 
このホームページを見た方から、クレータへ行くにはどうすればいいのか?、と言う質問のメールを頂いた
ことがありました。 資料からだけで作っているので残念ながら分かりません、とお答えしました。 
あの番組をみると行って体感してみたくなります。 「目の前に見えるものは 目の後ろからくる」(What
seen in front of the eyes come from behind the eyes?) このナゾの様な言葉はオーメ学園の高校生に
予習に送られて来ました。 
高校生達はちょうど開催されているタレルさんの展覧会を見る為にアリゾナ州フェニックスにあるスコッツ
デール現代美術館へ出かけます。 そこで彼らは「オープンフィールド」と言う作品を体感するのです。
 光が作りだす空間に入るとブルーの壁や天井、床
に目がなれてしまた時に白い壁をみると青の補色であるオレンジ色に見えてしまうと言う作品です。 この
単純ですが大変不思議な体験に高校生達は大喜びでした。

 
ボタンFlagstaff市のホームページ

Flagstaff市からローデン・クレーター近くまで、車で39.7 マイル – 約 1時間27分

(googleマップの検索で”Roden Crater, outside Flagstaff, Arizona,USA”と入力するとローデン・クレータに行く事が出来ます。)  

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