rogoご隠居の知恵袋

                 [生命知]


アーユルヴェーダー

チワ!、ご隠居いるかい。

おいおいなんだねえ、目上の人間に向かって居るかいははないだろう。  だいたいお前さんはゾンザイでいけないね。

何言ってんだ、こちとらは職人だ、一々人の顔色うかがってりゃ仕事にならねってもんだ。

まあまあそうだな、お前さんの裏表のないとこがいいって事かね、所で今日はなんだい。

そうだ、実は内のカカアが近頃、アルマテラなんとかとか、なんとかヴェーダーとか口ばしりやがってイソイソと出かけやんだ、てめぇ何処へいきゃがんでぇ、と言うとね、おめぇなんかにゃわかんねぇよ、って抜かしやがるから腹が立ってね、おぅ、ご隠居教えてくれ。

お前さんにかかちゃ私も台無しだね。 ま、そうだな、アーユルヴェーダと言うのはだな、古くからインドに伝わっている長寿になる健康法なんだ。 現代でもインドではこれを守って毎日の生活の中で実践している人が多いんだ。 西洋医学とは違うんだが、大きな医学体系だから科学的にも認められていて、W.H.O(世界保険機構)でも承認されているそうだな。  お前さんも酒ばっかくらってないでちょっとは勉強してはどうかね。

なにぬかしやがる、これ以上元気になってどするね。 

お前さんなんぞはコロッとあの世に行っちまうんだろうね。 まっ、それも良いかね。    

アーユと言うのは生命と言うことでね、生命は、本我(アートマン)、精神(サットヴァ)、知覚器官&作用器官(インドリヤ)、肉体(シャーリラ)が結合したものと考えられているんだな。  アーユルヴェーダとは、その生命に何が有益で何が不益であるか。  何が苦痛を取り除き生命に喜びを与えるものか。  精神的苦痛や身体的疾病の原因、およびその治療法はなにか。 理想的で健康な長寿とはいかなるものか、如何なる物質が、また物質が持っている性質や作用が生命を助長し、または生命を助長しない物質はなにかについて、全体的に考察解明する学問だそうだな。

なんだかチンプンカンプンだな。

私なんぞは毎朝起きるとまずは冷たい水で手ぬぐいを絞って身体中を摩擦するんだよ。 これを真冬でも真夏でもやるんだ、するとね気分が充実してくるね。  アーユルヴェーダでは、これをオイルでやるそうだよ。 それとね、太陽が昇る1時間半前には目をさまして(ブラフマ・ムフールタム)床の上で自分の手のひらを見ながら、”手の指先には弁財天が、手のひらの中央には勉学の神が、手の甲には発展の神が宿っている。”と唱えて全能者に感謝の祈り捧げるんだな。 それから、大地に立って、”母なる大地女神よ、あなたは海を衣とし、山々の丸みは乳房のごとし、発展の神ヴィシュヌー神の妻なる貴女に帰依致します、どうぞ私の足が貴女にふれることをお許し下さい。”と大地神に許しを乞うんだな。 その後に、鼻と口の中をきれいにして、鼻と口から水を飲むんだ。 それから排便をして、オイルマッサージをして、水を浴びるんだ。 これだけの事を外での仕事をするまえにすませるんだな。

あっしなかにゃとてもできねぇな、職人だから朝早えぇのはかまやしねぇけど、しちめどうな事は出来ねぇな。

なんだね、こんなふうに朝にゆったりした気分で時間を過ごすことは今の日本の都会ではなかなか無理だね。 だけどね、私の祖母なんか朝に太陽が昇ってくるのを縁側で待って、太陽をじっと見つめて手を合わせていたな。 昔は日本人にもそんなゆったりした朝があったんだね。

ギーターと言うアーユルヴェーダの聖典には、”正しい食事を取り、適切な生活をし、行動や仕事を完璧に行い、就寝・起床を規則正しく行えば、不幸・病気を取り除く”と書かれているのだそうだが、ドーシャと言う身体維持要素の平衡と精神的状態の調和については細かな教えがあるんだ。 香りとか音とか食物とかによる5感に関する中にアロマセラピーなども含まれるんだな。 良いものを見て、良いもの聞いて、良いものを味わって良いものに触れて調和のとれた生活をするのがいいのだな。 ともかく病は気からと言う様に、精神面と身体面のバランスを重要と考えるんだな。 このあたり現代人はストレスが多くて大変だから、アーユルヴェダーから学ぶといいかもしれないね。

そうだな、カカアの関西のダチにオフィスレディーがいるんだけど、野球見に言ってタイガースの応援で絶叫するとストレス解消になるってのがいるよ。 まあ、大変だね。

お前のかみさんはお前のお守でストレス溜めてんじゃないかい、アーユルヴェーダでお前さんより長生きして第二の人生楽しみにしてるかもしれないね。

おいおい、嫌なこといいっこなしだぜ、おぉ、帰えら、ありがとさん。

 

資料:[インド伝統医学:アーユルヴェーダ、健康長寿の知恵]H.S.Sharma(元インド国立アーユルベーダ大学学院長)講演録。     [インドの生命科学、アーユルベーダ]上馬場和夫・西川真知子著、農文協   [職人]永六輔著、


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