rogoご隠居の知恵袋

                 [アーユルベーダ]


生命知

  chou                  こんにちは! 御隠居さんいますか?

おやおや隣のナオちゃんではないかね、  まあ、お入り。

はい、これ召し上がって下さい。      修学旅行のお土産です。

それはどうもありがとう、何時もすまないね。 ほ〜、「おたべ」じゃないかい、関西方面に行ってきたの、やっぱりお寺まわりかい。

そうね、お寺も行ったけど私達のグループは高槻市にある「生命誌研究館」と言うところへ行ってきたのよ。

なんだね、その生命誌といううのは? どんなところかね。

う〜ん、まね、建物は日本タバコ産業の一角に間借りしてるって感じであるんだけど、展示室に入るとすごくモダンな感じ、なんでもイタリア人の若い建築家が設計したようよ。 展示物はそれほど多くはないんだけど、ビディオやパネルなどが多くあってじっくり読んで理解する様になっているの。 世界中の「おさむし」の標本が展示してあって、その系等を解説してあったりするの。 

「おさむし」って、手塚治の好きだった「おさむし」だろう、すごく美しいのもいるんだってね。

osamushi

そうよ、研究所ではその「おさむし」の進化も研究してるのよ。 その事で地球の歴史だって分かるんだって。  分子時計とか言う考えかたなんだけどね。  中国人の研究員の人の研究らしいけど世界的に今注目されている重要な研究だそうですよ。  だけどね生物学というのはある時期にどんどん〜ど〜んどん生物を分析的に調べる様に成って行って分子の様に物質として生命体を見る様になっちゃんたんだって。 DNAの組み合わせで生物が形作くられる訳だから機械の組み立ての様な解釈が出てきたらしいよ。 だけど生物や生命と言う事をきちんと説明しようとするとそれでは出来ないんだって。 生命と言うのは「自己創出」するものだそうです。 それと関係するんだけど、雄と雌がいるのもそれだけ遺伝子の組み合わせのパターンが多くできて環境の変化にも対応できる生命体が生き残れる様になっているんだって。 無数の組み合わせが可能だから生物と言うのは無数の固体が存在するのだけど、それがそうなって行く過程の時間と言うか歴史にも目を向けていかないと分からないと言う事で、「生命誌」と言う視点を提唱しているのがこの研究館ってことですよ、な〜あんちゃって、研究館の図書室で仕入れた知識です。

chou

やっぱり高校生は理解が早いね、なかなか年寄りには新しい理屈は飲み込めないがその「自己創出」て言葉は気に入りましたよ。 そうだね、人間が生きていくって事にもあてはまる様な言葉だね。 それで思い付いた面白い話をしましょうかね。 ナオちゃんは黒澤明って映画の監督さんを知っているだろう、今年に亡くなったから追悼で、あの人の作品をリバイバルで見る機会もあると思うけど、「七人の侍」って映画なんだがこの映画はまさに「自己創出」をテーマにした様な映画だな。 つまりね、営々と生活を営んでいる百姓さんたちは、きちっとプログラムされているDNAだな、そこに野盗が襲ってくるのだけど、これは環境の異変だな、それに耐えるだけではなく対抗するために浪人達に助けを求めるわけだが、異質なものを受け入れることで自分達が変化するんだな、これは「自己創出」したと言えるね。

   chouうわ〜すご〜い、さすがご隠居さん物知りね。

これこれ、年寄りをからかっちゃいけないね。 言われついでにもうひとつ加えるとね、映画のなかに志村喬扮する勘平だったかな浪人のリーダが旅の途中の村で子供を人質に取って篭っている盗人を、頭を丸めにわか僧侶の姿になって盗人を安心させ、隙をついて取り押さえ子供を無事救出したエピソードがあるのだけど、この話は上泉伊勢守(柳生新陰流の創始)のエピソードとして伝わっている話なんだね。 柳生新陰流の奥義は活人剣なんだね。 「場」と言うものを常に心に入れているのだよ、そして「関係」でもって截相をやるわけだ。 だけど「七人の侍」は面白い映画だね、見てなかったら是非見ておきなさいよ。 ラスト・シーンで勘平が村を振り返って元気で農作業に励む農夫達を見ながら「また負け戦だったな」と苦笑いしながら毛が伸びかけた頭をなぜるんだが、その志村喬の笑顔がよかったな。

ご隠居さんにも若い時があったんだ、へ〜、すっかり話し込んじゃった、今日は良い話をありがとうございました。

chou

 

資料:「自己創出する生命」中村桂子著・哲学書房  「生命知としての場の論理」清水博著・中央新書 
生命誌研究館ホームページ:http://www.jtnet.ad.jp/WWW/JT/Culture/BRH/Welcome.html
  *昆虫の写真は研究館の展示物をデジカメで撮影しました。
地球・生命、Ken-Yaoのホームページ:生命論研究室


 
一口メモ                                          cell       

                        植物の細胞は水平と垂直方向に細胞分裂をして増殖し、動物の場合は四方八方に増殖して行くと言う。 蝶の翅のが出来るまでには、先ず大雑把な形が出来、次第に死ぬ細胞が出てきてあのような複雑な形になると言います。遺伝子のプログラムにはこうした細胞の死も含まれていて造化の妙が生まれます。

うん〜、なんだか絵を描く時、大雑把に形をとって次第に細部を描くのににているなあ。

 

 

 


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