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「主題:太陽」 1998年 橋本佳美作 大理石 設置場所・クレタ島 |
「主題:太陽」はベルリンに住んでいる橋本さんが、1998年10月にクレタ島で行われれたワークショップに参加して制作したものだ。 なんとも言えないあったかさのある作品で題名通り地中海の太陽だと断定してもよいのだが、ここはミステリアスなクレタ島だ。 ギリシャ神話には「オムパロス石」(世界の中心石とかヘソ石)という女神(大地の女神)のお臍を連想さす石がある。 この連想の方がピタリとくる。 とは言っても勝手にイメージをくっ付けては作者に叱られるかもしれないが・・・・。
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デルフォイはアテネよりも北に位置する所にあってクレタ島とは随分離れた所だ。 聖域とされれたデルフォイはずうっと古い昔から、他の多くの聖地の様に人に霊的インスピレーションを与えていた場所だったはずだ。 アテネのパルテンノン神殿に代表されるギリシャ神殿の建築は完成された様式を誇っていてギリシャ文明の始まった時からあの様な形でそこにあった様な錯覚さえ起こさせる。 所が、古代ギリシャのあちこちには現在知られているよりは遥かに多い聖地があった様だ。 現存するものでは、デロス島の「アポロンの洞窟」がある。 神殿では牛などの生け贄を捧げる祭祀が行われていた。
ギリシャ文明の先には地中海沿岸や島々に起こったエーゲ海文明があって最盛期にはクレタ島がその中心となっていた。 首都クノッソス を中心に、華やかな文化が栄え、ミノス王が全島を支配していたと言われている。 この島はそれ程資源に恵まれた所ではなかった、 にもかかわらず繁栄を誇った経済の基盤は羊毛の交易だたとされている。 中央集権の強固な官僚機構は常に交易を管理し税を徴集してビッグな国家となって行ったらしい。 エジプトやメソポタニアの同じ時期の都市は、神殿を中心にした言わば門前町なのだが、クレタ島の都市はクノッソス宮殿が中心にはあものの豊かな経済を背景に自然増殖していって、石造の家や石畳で鋪装された道路があたかも「迷路」の様に巨大化していった様だ。 ギリシャ神話に出てくる「迷宮」はこの様な当時として画期的な都市風景の印象が「迷宮」と言う伝説になったと言われている。 クレタ文明は大規模な神殿を持つことはなかったものの信仰は自然信仰と言うもので女神を崇め、山の高所や洞窟に礼拝堂をたてて祭祀をおこなっていたらしい。
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一口メモ
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エウロペを背にのせて海に入った牡牛は、やがてクレタ島に上陸し、ゴルテュンで自分の姿を現わした。それはゼウスであった。この大神はエウロペに恋慕して、策略を使って略奪したのである。エウロペは三人の息子を生むが、そのうちミノスがクレタ島の王となった。このミノスはポセイドンに供犠して、海底から牡牛が現われるように祈り、それが現われたならば、ポセイドンに捧げることを誓言した。しかし実際に現われてみると、その牡牛が惜しくなり、これを種牛として残して、代りに別の牛を犠牲に捧げた。この違約にポセイドンは立腹し、その牡牛を狂暴にし、しかも王妃パシファエの心に、この牡牛への欲情を抱かせた。パシファエは、名匠ダイダロスに牡牛の木型を作らせ、その中に身を入れて牡牛と交わった。かくて生れたのが牛頭人身の怪物ミノタウロスである。王はダイダロスに迷宮(ラビュリントス)を作らせ、そこへ怪物を閉じ込めておいた。 ところで、この怪物のために毎年アテナイから海を越えて七人の若者と七人の少女が献ぜられて、その餌食にされたが、アテナイの英雄テセウスが自ら志願して、この貢納の若者に加わり、クレタ島へ送られてきた。 ミノス王の娘アリアドネがテセウスを見るなり恋慕して、秘かに剣と糸玉を手渡した。 迷宮へ入れられたテセウスは、この剣でミノタウロスを殺害し、入り口から張っておいた糸(これが毛糸である、つまりクレタ島の主要産品)を頼りに、無事に外へ脱出することができた。 そしてアリアドネを連れて島から逃げ出し、途中ナクソス島に上陸したが、そこに熟睡するアリアドネを置き忘れて、テセウスは帰国してしまう。その後アリアドネはディオニュソスに救われて、その妃となり、不死の身になったという『神統記』
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資料:「世界の文化遺跡・ギリシャの神殿」講談社
「ギリシャ神話の世界観」藤縄謙三著 新潮選書
「ギリシャの美術」澤柳大五郎著 岩波新書
「迷宮」ヤン・ピーパー著・和泉雅人監訳、佐籐恵子・加藤健司訳 工作社
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