アート
リチャード・ロング(Richard Long)
1945年イギリス・ブリスト生まれ
ロングさんは1967年「歩行による線」の作品が注目を集めて以来ずっと歩くことから作品を制作しているんだって。「歩く」事を「彫刻」と考えているのんだそうだけど、それは従来の彫刻感とは大きく違っていてあっちらにはチョットわかんないかなあなんて思うんだけど、ロングさんに言わせりゃ、歩くなんてことは猿だって犬だって出来るし、そして歩いた後には痕跡が残るだろう、 それにイギリス人は昔から歩くことが好きな連中だからごく自然な事なんだそうだ。なんでも自然の中に自分の歩いた跡を残す事が大切なことなんだって。
ともかく美術学校を卒業したころはポップアートが終わりを迎えていたころだったので、なにか新しい事始めたいと言う気持ちで新しい形式のアートを造り出すことに一歩を踏み出すことが出来たんだそうだ。1968年には歩行距離を10マイルに延ばすことによって一気に作品のスケールは大きくなったと言うけど、10マイルといや16kmを行ったり来たりして足跡を残すんだから御苦労な事だよ。だけどロングさんの作品は歩いた跡ばっかりでもないんだ、言葉を並べたり石をならべたり木の枝をならべたり、手形を付けた平面の作品だってあるんだ。どれも一直線とかサークルとかものすごく単純な形が現れるんだ。
これはもう何だね、次ぎに造る作品のアイディアが出なくって苦しむなって事なく、どっかへいっちまえあいいんだもんね、自然に作品が出来てくるんだから実に健康的なアートだよ。楽観的といえば、マスコミなんかから流れてくるニュースを見ていると自然破壊だとか公害だとか今にも地球は壊れてしまうのではないかと思えることばっかなんだけど、例えばペルーの大きな自然の中に行って自分が気に入った場所でただ歩いていると自然のエネルギーが感じられてまだまだ地球も捨てたもんではないと幸せな気分になることができるるんだそうさ。そしてそんな場所はまだ沢山見つける事ができるって事さ。
ペルーの荒野に踏み固められて白く一直線に付いたロングの足跡(1972年.WALKING
A LINE IN PERU)
富士山の斜面に並べられた石の線(1979年.A LINE IN
JAPAN)
ロングさんは日本ででも歩いているのだけど、いったいどれだけの場所を歩いたんだろうね。イギリス、アイルランド、フランス、オランダ、スイス、ノルウェー、ケニア、タンザニア、アメリカ合衆国、カナダ、アイスランド、ペルー、ボリビア、チリ、ネパール、オーストラリア、ポーランド、ザンビア、マラウイ、メキシコ、モロッコ、韓国、等、実に沢山の土地を訪れているんだって。作品造るのに材料費はかからないけど、交通費はずいぶんかかりそうだね。
自然石を並べてサークルを造った画廊での発表(SWISS GRANITE
RING 1985年 Basel)
ロングさんの作品はよくストーンヘンジなど巨石文化の遺跡とくらべられたりするそうだけど、ロングさんは、現代人は地球が宇宙の星の一つであることを知っているのであの時代の人たちの様に太陽との関係だけでその場所を世界の中心とは特定できないのではないかと言うんだ。だけど自分の仕事は、その場所に行って周囲の土地との関係で何かの行為をしていると自分が世界の中心にいて特別な意味のある仕事をしていると思えるそうだ。
日本人は神道の様な信仰をまだ精神のなかに残しているけど、ヨーッロッパでは巨石遺跡を残した人たちやケルト文化を残した人たちの持っていた自然物からなんらかの力を感じる様な文化が途絶えてしまっている、自分はそんな昔のものとの仲立ちの様な位置にいるのかもしれないと、ロングさんは自分の仕事の事をこう思っているんだそうだ。
資料:リチャード・ロング公式HP[クリック]
「今日のイギリス美術」展カタログ.1982年/「RICHRD
LONG」Electa 1994年/「美術手帳」1996年4月号
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